ヨヒンビン塩酸塩とは

ヨヒンビン塩酸塩について

ヨヒンビン塩酸塩(Yohimbine hydrochloride)は、以下のような特徴を持つ化合物です。

1. 起源と構造

  • 起源: ヨヒンビンは、アフリカ原産の植物「ヨヒンベ(Pausinystalia yohimbe)」の樹皮から抽出されるアルカロイドです。
  • 構造: 化学構造は、インドールアルカロイドの一種であり、神経系に作用することが知られています。

2. 用途

  • 勃起不全(ED)の治療: ヨヒンビン塩酸塩は、主に勃起不全の治療に用いられます。交感神経系のα2-アドレナリン受容体を遮断することにより、血管を拡張させ、陰茎への血流を増加させます。
  • 体重減少と脂肪燃焼: 一部のダイエットサプリメントにも含まれ、脂肪の分解を促進する効果があるとされています。
  • 抗うつ作用: 研究によっては、抗うつ薬の効果を増強する可能性が示唆されています。

3. メカニズム

  • α2-アドレナリン受容体遮断: ヨヒンビンは中枢神経系と末梢神経系のα2-アドレナリン受容体を遮断します。これにより、ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)の放出が促進され、血管が拡張します。
  • 血流増加: 陰茎の血管拡張と血流増加が勃起不全の改善に寄与します。

4. 副作用と注意点

  • 副作用: ヨヒンビンは、心拍数の増加、不安、震え、高血圧、頭痛、めまいなどの副作用を引き起こすことがあります。特に高用量ではリスクが増します。
  • 相互作用: 他の薬物やサプリメントと相互作用する可能性があります。特に抗うつ薬や心血管系の薬物を服用している場合は注意が必要です。
  • 禁忌: 心血管疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、高血圧の既往歴がある場合、ヨヒンビンの使用は避けるべきです。

まとめ

ヨヒンビン塩酸塩は、勃起不全の治療に使用される薬物で、α2-アドレナリン受容体を遮断することにより血流を増加させる効果があります。しかし、副作用や他の薬物との相互作用に注意が必要です。使用を考えている場合は、医師と相談することが重要です。

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