バイアグラの禁忌

バイアグラの禁忌

バイアグラ(一般名: シルデナフィル)は、勃起不全(ED)の治療に使用される薬物です。バイアグラを服用する際に、以下の状況や医薬品との併用が禁忌とされています。禁忌症状や併用禁忌薬に該当する場合、バイアグラの使用は避けるべきです。「禁忌」(Contraindication)は、特定の医薬品、治療法、手術、または医療処置が、特定の患者や特定の疾患状態に適さない、あるいは安全でない状態を指します。

  1. バイアグラ(シルデナフィル)の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

    • バイアグラの成分であるシルデナフィルに対するアレルギーがある場合という意味です。
    • バイアグラに含まれる成分に対する過敏症がある場合、バイアグラの使用は禁忌です。
  2.  ニトログリセリン、硝酸イソソルビド、亜硝酸アミル、ニコランジルなどの一酸化窒素供与剤(NO供与剤)を含む硝酸塩薬の服用中の患者:

    • NO供与剤とバイアグラを併用すると、血圧が急激に低下し、危険な状態に陥る可能性があるため、絶対に避ける必要があります。
  3. 心血管系障害を有するなど性行為が不適当と考えられる患者

    •  重度の心疾患を持っている場合を意味します。心血管系障害は、心臓と血管に関連する異常や疾患の総称です。これらの疾患は、心臓や血管の正常な機能に影響を与え、血液の循環や酸素供給に問題を引き起こすことがあります。心血管系障害は非常に幅広い範囲の疾患を包括しています。
      • 冠動脈疾患: 冠動脈は心臓の筋肉に酸素と栄養を供給する血管です。CADは、これらの冠動脈が動脈硬化によって狭窄または閉塞する疾患で、心筋梗塞や狭心症の原因となります。
      • 心筋梗塞: 心筋梗塞は、冠動脈の閉塞によって心筋(心臓の筋肉)に供給される血液の流れが阻害され、心筋組織が壊死する状態です。これは急性心臓発作とも呼ばれます。
      • 心不全: 心不全は、心臓が血液を十分にポンプできなくなる状態で、体に酸素と栄養を供給する能力が低下します。これにより、体に液体がたまり、息切れや浮腫が生じます。
      • 高血圧症: 高血圧は、血圧が通常の範囲を超えて上昇する状態を指し、心臓と血管に負担をかけ、血管壁に損傷を与える原因となります。
      • 脳卒中: 脳卒中は、脳の血管に異常が起きることで、脳に酸素供給が不足し、脳機能が損傷する状態です。脳卒中は心臓と血管の問題によって引き起こされることがあります。
    • アミオダロン塩酸塩(経口剤)を投与中の患者
      • アミオダロンは、不整脈の治療において、その安定性と広範な効力で知られています。
      • しかし、副作用や薬物相互作用が多いため、慎重に使用する必要があり、通常、専門家の監督下で使用されます。
    • 可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激剤(リオシグアト)を投与中の患者
      • グアニル酸シクラーゼ刺激薬とバイアグラを併用することは禁忌です。
      • この組み合わせは、血圧の危険な低下を引き起こす可能性があります。
      • 可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激剤の一つであるリオシグアト(Riociguat)は、特定の心血管疾患の治療に使用される薬物です。
      • グアニル酸シクラーゼ刺激薬は、肺動脈性肺高血圧症(PAH)と慢性血栓性肺高血圧症(CTEPH)の治療に承認されています。
      • リオシグアトは、sGCという酵素を刺激して、一酸化窒素(NO)の効果を増強します。
      • NOは血管を拡張させ、血液流量を増加させる作用があり、これにより肺動脈内の血圧が下がり、肺血管が拡張されます。
      • PAHおよびCTEPHは、肺動脈内の血圧が高い状態で、肺血管抵抗が増加していることに特徴づけられます。
    • 特に心臓に関する重大な問題がある場合、バイアグラの使用は避けるべきです。
    • これには、心臓発作、不整脈、不安定狭心症の他、狭心症などが含まれます。
  4. 不安定狭心症のある方、又は性交中に狭心症を起こしたことのある方

    • 狭心症: 心臓に不足する酸素によって引き起こされる胸部痛の症状を指します。
    • 通常は身体活動時に現れ、冠動脈の狭窄によるものです。
  5. 重度の肝臓障害を持っている場合:

    • 肝臓が十分に機能しない場合、バイアグラの代謝が影響を受け、副作用のリスクが高まる可能性があります。
  6. 低血圧の患者

    •  (血圧<90/50mmHg)
    • 低血圧の症状を経験している場合、バイアグラの使用は避けるです。
  7. 治療による管理がなされていない高血圧の患者

    • (安静時収縮期血圧>170mmHg又は安静時拡張期血圧>100mmHg)
  8.  脳梗塞・脳出血や心筋梗塞の既往歴が最近6ヵ月以内にある患者

    • 血圧の影響: バイアグラは血管を拡張させ、血圧を一時的に低下させる可能性があります。これはバイアグラの効果の一部ですが、既往の脳梗塞、脳出血、心筋梗塞などの心血管疾患がある場合、低血圧はさらなる合併症を引き起こすリスクが高まります。
    • 心臓への負担: バイアグラの使用は心臓に一時的な負担をかけることがあります。既往の心筋梗塞や心臓の問題がある患者にとって、これは心臓へのリスクを増大させる可能性があるため、注意が必要です。
    • 血栓形成のリスク: 脳梗塞や脳出血の既往歴を持つ患者は、血栓が形成されるリスクが高いことがあります。バイアグラの血管拡張効果により、血栓のリスクが増加する可能性があるため、このような患者は注意が必要です。
    • 薬物相互作用: 一部の薬物とバイアグラの併用は、心血管系の問題を引き起こす可能性があるため、特に心臓関連の薬物との併用には注意が必要です。
  9. 網膜色素変性症患者

    •  網膜色素変性症の患者にはホスホジエステラーゼの遺伝的障害を持つ症例が少数認められています。
    • 網膜色素変性症は、網膜の一部である網膜色素上皮に関連する一群の視覚障害疾患の総称です。
    • 網膜色素変性症は、網膜の中心部に位置する網膜黄斑や周辺の網膜色素上皮に影響を与えることがあり、視覚に異常を引き起こす可能性があります。
  10. 重度の腎臓障害を持っている場合:

    • 腎臓の機能が著しく低下している場合、バイアグラの使用は慎重に検討すべきです。

以上の禁忌事項は一般的なものであり、個々の病状や医師の指示によって異なる場合があります。バイアグラを使用する前に、医師に相談し、適切な治療法を決定することが重要です。

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